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地域との連携、社会貢献に関連した活動

【Vol.4】人と地域を楽しく、元気にする 運動会・体操教室・出張トレーニング

投稿日時:2022.7.21

株式会社HSコーポレーション

【お話しいただいた方】
株式会社HSコーポレーション 統括 片山達郎さん・広報 甲田千春さん

HSコーポレーションは社内運動会を通じて、仕事へのモチベーション向上、職場内のコミュニケーション活性化に成果を挙げています。また、スポーツを通じて地域社会に貢献する活動も展開。従業員の皆様の自発的な取組が、地域社会や学校にまで広がっています。

企業紹介
企業・社員・地域の方々の三方を笑顔に

株式会社HSコーポレーション(以下、HSコーポレーション)は、スポーツや日常でのケガの治療、関節痛、腰痛などの治療に対応する「鍼灸整骨事業」のほか、訪問事業やトレーナー派遣事業、FC開業支援事業を運営しています。健康を通じて社会に貢献することを企業使命とし、地域密着医療の姿勢で幅広い活動を展開しています。

「施術スタッフは総勢170名で、平均年齢26歳と若いのが特徴です。卒業した学校のスポーツトレーナーになりたいとか、地域の皆さんの運動不足を解消したいといった声はよく聞きます」と話すのはHSコーポレーション・統括の片山さんです。

HSコーポレーション・統括の片山達郎さん

ほとんどの施術スタッフ(柔道整復師・鍼灸師)が何らかのスポーツ経験者で、学生時代にケガをしたときに整骨院の先生に診てもらった体験からこの道に進んだという理由が多いそうです。競技者の健康・体力管理を行う“アスレチックトレーナー”という専門的な資格を有する方も多く在籍しています。

活動の背景・経緯
人を元気にするという職業的使命

同社が多岐にわたってスポーツや健康づくりに取り組む理由をこのように説明します。

「社長から新人スタッフまでスポーツ好きが多く、また『健康を通じて地域の人々を幸せにする』という当社の理念もあり、自分たちが元気でなければ、人を元気にすることはできないことからスポーツ活動に注力しています」(片山さん)。

活動の最初は草野球チームから始まり、やがて皇居をまわって帰ってくるナイトウォーク、さらに100キロウォーク大会への出場へと進展しました。現在は、『社内運動会』や学校への『スポーツトレーナー派遣』、地域住民が参加する『体操教室』などのスポーツ活動へと展開されています。

自身も術者として現場管理職を経てきた、広報の甲田さんはスポーツ活動の効果をこう話します。

「当社が整骨・鍼灸だけでなく、スポーツ活動にも力を入れていることは、スポーツトレーナーになりたい若者に対して魅力的に受け入れられています。また、『東京都スポーツ推進企業』に認定されたことも含めて、結果的に採用人数の増加につながっています」(甲田さん)。

HSコーポレーション・広報 甲田千春さん

少子化、就職先の多様化で年々人材採用が難しくなる中、さまざまなスポーツ活動は採用上の有効なコンテンツになっているそうです。

活動紹介その1
競技や声援、みんなで楽しむ大運動会

同社の社風や社内カルチャーを最も象徴するのが、毎年恒例の社内運動会、『HS大運動会』です。全従業員が参加するこの運動会は、10~11月の時期に1日店舗を休業し、スポーツセンターを借用して実施されます。4つに色分けされたチームによる対抗戦で、バスケットボールやフットサルの試合など、多種多様な競技が繰り広げられます。

「球技が苦手な人もいますから、玉入れや綱引き等といったみんなが楽しめる競技もやりますし、100m走もあります。1等賞はスピードキング、スピードクイーンと言って表彰したり、優勝チームにクオカードなどの賞品を提供したりと、まさに大人の運動会ですね」(片山さん)

大会開始時には館内にオープニングムービーが流され、準備体操では“新兵の訓練”で有名なエクササイズをみんなで実施します。

声援を受けて競技者もがんばる、仲間同士でお弁当を食べるといった風景は、まさに学校で行われる運動会のよう。社長も従業員も一緒になって競技する運動会は、終始笑顔に包まれます。

大運動会の様子

楽しい体験の共有が一体感を生む

1日全店を休業すれば、売上げにも影響がしそうですが、そこまでして運動会を行う理由は何なのでしょうか?

「大運動会は従業員たちの交流を活性化する機会だと思っています。店舗単位で運営しているので、実は他店のスタッフと顔を合わせることはほとんどありません。大運動会でチームになって競技を行ったり、弁当を食べたりすることでお互いの距離が近くなるんです」(片山さん)。

「結束力が強くなりますね。チーム一丸となって声を出し合ったりすると、共にがんばろうという気持ちが生まれます」(甲田さん)。

子供の頃の運動会は誰の記憶にもあり、楽しさはいつまでも忘れません。HSコーポレーションの大運動会は、みんなで楽しい時間を共有するという、健康づくりの枠を超えた参加者満足度の高いイベントに仕上がっているそうです。

大運動会の様子

活動紹介その2
軽い運動と脳トレで楽しい体操教室

また、同社は、地域連携や社会貢献に関わるスポーツ活動にも注力しています。

そのひとつが、店舗周辺にお住まいの高齢者を対象にした『体操教室』です。

ひざ体操・五十肩体操といった無理のない運動で、関節の動く範囲を拡大させることで、ケガの防止やケアに役立てています。あまりからだを動かし過ぎると疲れるため、手や指の体操や脳トレなども採り入れているそうです。

「出店の際に、当社のトップがよく口にするのが“地域に必要な存在になる”というものでして、当院の患者様に限らず、周辺にお住まいの方を招いて無料で体操を体験いただいています。また、ケアマネージャーからご依頼を受けて介護施設に出向くこともあります。ケガをしないように、また健康寿命を延ばすためにも積極的に参加いただいています」(片山さん)。

体操教室の様子

活動紹介その3
中高生を陰で支えるスポーツトレーナー

更にもうひとつ、社会貢献につながるスポーツ活動が『トレーナー派遣事業』です。主に中学・高校のスポーツ系の部活動に取り組むチームをサポートしています。同社にはプロアスリートや全国大会出場チームをサポートした実績を持つトレーナーがいます。

「外部コーチのような存在で、生徒の運動上の課題解決を目指してサポートしていきます。当社スタッフによる自発的として認めていますが、大きな利益は出ていないですね」と片山さんは話します。

「例えば、杉並区内の私立高校の陸上部・サッカー部・バスケットボール部の選手たちをアシストしています。高いパフォーマンスを引き出すにはどうするかを考え、選手たちとしっかりコミュニケーションを取りながら、体幹トレーニングやコンディショニングトレーニングを行います」(甲田さん)。

ケガをしない、痛みが出ないような身体づくりを目指しますが、もしケガをすれば、早期に競技に復帰できるようサポートしていくそうです。

卒業した学校に恩返しをしたい、スポーツをする子供たちの夢をサポートしたいという同社スタッフの気持ちが、この活動を支えています。

学校でのトレーニングサポートの様子

その後の展開・メッセージ
「スポーツ×施術」で人の健康を支え続ける

新型コロナウイルス感染症の影響で、同社のスポーツ推進活動も長らく中止になっていました。

「感染リスクを抑えるために活動できませんでしたが、その一方、患者様の在宅勤務が増え、行動量が減ってギックリ腰になる方が増えるなど、ケガしやすい状況になっています。家にいてもからだを動かそう!ということで、自宅でできるセルフトレーニングやグラヴィティヨガを患者様にお伝えしています」(甲田さん)。

常に患者のからだと健康を見守り続けるHSコーポレーション。同社のスポーツ活動は、患者と地域社会を支え続けるために、また従業員との関係を深めるための有効な手段ですが、従業員・スタッフが自発的に取り組んでいる点が特徴的です。好きなスポーツに取り組みたい、仕事を通じて社会に貢献したいという気持ちが溶け合って、今後も活動は長く続き、そして広がっていくでしょう。

インタビューした企業

株式会社HSコーポレーション

サイト
https://hone.co.jp/

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