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【Vol.3】車いすバスケットボール連盟や大会組織委と連携し全国規模のイベントやWeb動画で魅力を発信

投稿日時:2022.3.1

日本生命保険相互会社

日本生命保険相互会社(以下、日本生命)は2015年に「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(以下、東京2020大会)」のゴールドパートナーとなり、2017年度にはオリンピック・パラリンピック推進部を発足。「Play, Support. さあ、支えることを始めよう。」というスローガンを掲げ、東京2020大会以後も同社が協賛している日本車いすバスケットボール連盟と連携しながら、パラスポーツの普及に向けて様々な取り組みを実施しています。

自社でグッズを作成するなど、まずは社内の機運を醸成

そのうえで、パラリンピックの成功や共生社会の実現に向けては、全国各地でのパラスポーツの普及や応援機運の醸成が必要と考え、「Play, Support. さあ、支えることを始めよう。」というスローガンのもと、今日に至るまでパラスポーツの振興活動を行っています。

オリンピック・パラリンピック推進部 東京2020推進担当の荻野祥太課長(右)と相澤早紀主任(左)

もともと社内に卓球部や野球部を持ち、スポーツ振興に盛んな企業風土があった日本生命でしたが、パラスポーツに取り組む転機となったのは2017年。4月に、女子車いすバスケットボールの北間優衣選手が入社。さらに、日本車いすバスケットボール連盟とオフィシャルパートナー契約を締結しました。連盟や大会への協賛に加え、車いすバスケットボールのファン作りに向けても、社内外で様々な活動を展開しています。具体的な取り組みを、同社オリンピック・パラリンピック推進部 東京2020推進担当の相澤早紀主任が教えてくれました。

パラスポーツ観戦の様子

「まずは従業員からファンを増やすために、車いすバスケットボール大会が開催される際には従業員への観戦・応援を呼びかけ、機運を醸成していきました。現在まで、約2万5000人が参加しています。さらには車いすバスケットボールやボッチャの体験会、パラアスリートによる講演会、スポーツボランティアなどへの参加も募り、たとえばスポーツボランティアにはこれまで、約9900人の従業員が参加しました」(相澤さん)

パラスポーツ応援の様子

観戦時には、オリジナルのTシャツを従業員で着用するとともに、スティックバルーンを持って応援。さらには選手のことを知るための名鑑や応援シートを配布するなど、一体感を持って楽しめるよう工夫をしたのだとか。

全国規模のイベントやWeb動画などオン/オフラインで魅力を発信

社内の次は、社外へ。パラスポーツの大会が開催される地域の営業職員が、現地周辺の顧客へ積極的に大会告知活動を行いました。そうして車いすバスケットボール女子の日本一決定戦である「皇后杯」や「国際親善女子車いすバスケットボール大阪大会」等の開催地域では、約35万人に観戦応援を案内したそうです。

そして同社が東京2020大会を盛り上げるために、同大会の組織委員会と共同開催したのが「日本生命 みんなの2020全国キャラバン」。大型ビジョン搭載のキャラバントラックで全国を巡りながら、競技の体験などができる参加型プログラムです。その活況ぶりを、同社東京2020推進担当の荻野祥太課長が振り返ります。

「コロナ禍により、最終回に予定されていた2020年3月の広島県だけは中止となってしまいましたが、2018年7月から2020年2月まで、46都道府県で開催させていただきました。会場内では車いすバスケットボールを体験できるブースも用意し、2万人以上の方に参加いただけました」(荻野さん)

「日本生命 みんなの2020先刻キャラバン」での車いすバスケットボール体験ブースの開催

さらに「日本生命 みんなの2020全国キャラバン」で行われた画期的な取り組みの一つが、東京2020大会を目指す選手を応援する気持ちを、バスケットボールに換えて選手へ届ける「ボールに乗せて応援を届けよう」キャンペーン。

みんなの2020全国キャラバンについて熱心に語る相澤主任

「この企画は、キャラバンで車いすバスケットボールを体験いただいた方の人数に応じて、全国の車いすバスケットボール選手にお贈りするというキャンペーンです。おかげさまで、日本車いすバスケットボール連盟所属の768名の選手全員に贈呈することができました。各チームや選手からも、SNSなどでそのことを発信いただいたり、感謝の声をいただいたり。共に盛り上げることができてよかったです」(相澤さん)

東京2020大会に向けた機運醸成のための企画は、リアルイベント以外にも。代表的なものが、日本車いすバスケットボール連盟と連携して発信した2種のWeb動画です。

そして同社が東京2020大会を盛り上げるために、同大会の組織委員会と共同開催したのが「日本生命 みんなの2020全国キャラバン」。大型ビジョン搭載のキャラバントラックで全国を巡りながら、競技の体験などができる参加型プログラムです。その活況ぶりを、同社東京2020推進担当の荻野祥太課長が振り返ります。

一つは「車いすバスケで日本を熱くする」篇。世界へ挑む日本代表としての覚悟や仲間との絆を、ひたむきなプレーを通して表現した動画です。そしてもう一つは「The Beats of Game」篇。こちらは2003年生まれの若手アーティストSASUKE氏が、ドリブルや車いすのターンなどの競技音や選手の声、審判の笛などを取り込んで構成し、車いすバスケットボールの魅力を表現した作品です。

前者は2020年1月から年の約2年間で、約262万回の再生数を記録。後者は2019年2月から2021年12月までで約48万回再生されるなど、ともに大反響となりました(現在、これらの動画企画は終了)。

社内のダイバーシティ理解推進における好機となっている

やがて迎えた、2021年開催の東京2020大会。新型コロナ感染拡大の影響で無観客となったものの、日本選手団の活躍によって史上2番目となる計51個のメダルを獲得しました。

「オリンピック、パラリンピックともに自国開催というだけでなく、選手団の活躍によって話題性や注目度の高い大会になったと思います。特にパラリンピックは、困難なことがあっても諦めず、限界に挑戦し続けるアスリートの姿に、多くの方が勇気や感動をいただいたのではないでしょうか」(相澤さん)

「東京オリンピック前後でパラスポーツの認知や意識の高まりを感じる」と話す萩野課長

「大会前と後で、パラスポーツに対する社会の認知や意識が、少なからず深まっていると感じます」と荻野さん。
2017年に立ち上げた、オリンピック・パラリンピック推進部の発足から2022年で6年目。活動を振り返って感じる、やりがいなどを教えてもらいました。

北間優衣選手(同職員)による体験会

「パラスポーツの観戦や応援に加え、講演会や体験会はダイバーシティ理解の推進を含めた、人材育成の観点でも良い機会となっています。参加した職員からも、『障がいはあっても、アスリートとして活躍する選手の姿を見て、障がいが“特殊なもの”であるというイメージがなくなりました』『障がいを持つ方が日常生活を送るうえでのサポートの必要性も含め、ー緒に生活しやすい環境を作ることが大事だと感じました』といった声を聞きます。

北間優衣選手(同職員)による体験会

ダイバーシティやSDGsといった課題を社会全体で解決していく流れがある中、当社も本活動を通じて尽力していますが、そういった活動が、お客様からの信頼にも繋がっていくと考えております」(相澤さん)
一方、パラスポーツ振興に向けての活動はまだ道半ば。車いすバスケットボールだけでなく、パラスポーツを観て体験する機会を増やしていくことが課題であると言います。

「知っていただくという点では、障がいの有無に関わらず、また競技の枠も超えて、あらゆる方々にパラスポーツと触れ合う機会を作ることが重要だと考えています。当社も継続してパラスポーツの支援に注力する中で観て体験する機会を提供し、いっそう広げていきます」(荻野さん)

いまだコロナ禍が続く中、世の中の状況に応じて講演会や体験会を開催したり、それらをオンラインで行ったりと、パラスポーツの支援活動に力を注ぐ日本生命。これからも「Play, Support. さあ、支えることを始めよう。」を合言葉に、共生社会の実現に向けたチャレンジは続きます。

インタビューした企業

令和3年度東京都スポーツ推進企業

日本生命保険相互会社

サイト
https://www.nissay.co.jp/

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