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社内や職場の健康・スポーツ推進活動

【Vol.5】楽しく歩くことを日常に取り入れ、 身体を動かす習慣を定着

投稿日時:2023.2.10

山本光学株式会社

【お話しいただいた方】
山本光学株式会社
東京支店 支店長 村瀬弘幸さん
スポーツ事業部 事業部長 鳥谷好孝さん

山本光学株式会社が実施する『バーチャルウォークイベント』(以下『歩数イベント』、という。)は、活動量計を持ってデータを送信できれば、全国どこにいても参加できるのが魅力です。
2015年から8年連続で「東京都スポーツ推進企業」の認定を受け、従業員の皆さんが、楽しみながら歩数を競い合う取組や、ラジオ体操、階段エクササイズの奨励、アスリート支援などの活動をご紹介します。

企業紹介
110年続く日本のアイウェアメーカー

山本光学株式会社は、1911年の創業以来、「目を護る」製品を開発してきた企業です。
現在は、働く人々の安全を護る商品と、スポーツギアの2つブランドを展開し、多様な眼鏡、レンズを送り出しています。スポーツギア商品は、さまざまな分野で活躍するアスリートたちの要望に応えて開発され、スイミングやスノースポーツ、ダート競技などの幅広い分野の“スポーツを愛するすべての人”に選ばれている製品です。
同社では、事業活動を通じて、企業の理念である「人々の心の豊かな生活文化を創造し社会に貢献する、快適創造企業」の実現を目指しています。

山本光学株式会社インタビューに応えていただいた村瀬弘幸さん(左)と鳥谷好孝さん(右)

活動の背景・経緯
ラジオ体操、階段エクササイズで健康配慮

「弊社はスポーツ用品を扱う企業として、そもそもスポーツに興味を持つ従業員が多いのが特徴です。健康経営に取り組む前から、会社でも積極的に部活動を支援したり、始業前のラジオ体操や本社ビルでの階段の上り下りといった“体を動かすこと”を推奨してきました。」と話すのは東京支店 支店長の村瀬さんです。

山本光学株式会社 東京支店 支店長 村瀬弘幸さん山本光学株式会社 東京支店 支店長 村瀬弘幸さん

「本社は6階建ての自社ビルで、各フロアーには階段を使って1階上がるごとに3kcal、下ると2kcal消費するといったことをわかりやすく表示しています。東京支店はビルの8階にあるので、階段利用はなかなか進みませんが、昼食を食べた後は階段を使おうかといった意識が芽生えたのは確かです。」と“階段エクササイズ”の効果を説明したのはスポーツ事業部の鳥谷さんです。

山本光学株式会社 スポーツ事業部 事業部長 鳥谷好孝さん山本光学株式会社 スポーツ事業部 事業部長 鳥谷好孝さん

もともと運動に取り組む習慣があったことから、健康経営に取り入れることになった同社。そのきっかけは、東京支店の移転にありました。
「以前、湯島にあった東京支店は、現在の文京区後楽のオフィスビルに移転することになりました。このビルに入居していた健康機器メーカー様の案内で、2018年に全社で健康経営プログラムを導入しました。翌年には『歩数イベント』を実施。以来継続して実施しており、2022年で計8回目の実施となります。」(村瀬さん)

社内でのラジオ体操の様子社内でのラジオ体操の様子

階段エクササイズでの表示階段エクササイズでの表示

活動紹介その1
健康経営プログラムを導入、歩数イベント参加へ

『歩数イベント』とは、歩数計とアプリを使用したバーチャル(仮想空間)のウォーキングイベント。イギリスやドイツなどのテーマをコースごとに設定し、歩くことを疑似体験できるゲーム感覚で参加できる『歩数イベント』です。
現在、同社では従業員間で歩数を競い合っていますが、イベント導入前は、試験的に幹部社員だけで実施して検証したそうです。
「いきなり従業員を対象にした活動に広げることもできないため、まずは、少人数から始めて、手応えを得てから従業員の参加を募りました。2022年12月現在で全従業員の約6割の150名ほどが参加する社内イベントへと拡大しています。」(鳥谷さん)。
『歩数イベント』の参加者には活動量計を配布し、各事業所に設置している測定機を使って歩数データを読み取ります。データは運営会社に送信・集計され、ホームページ(マイページ)に参加者の現在地や順位などが表示される仕組みです。
「社員は名前ではなく愛称で登録しているので、ランキング上位者が誰だか、分からないように工夫しています。」(鳥谷さん)

インタビューの様子インタビューの様子

活動紹介その2
歩いて徳島巡り、260万歩を超える

第1回目『歩数イベント』の沖縄編は、那覇空港から辺戸岬までの250Kmを357,137歩で完歩するコースで、参加者116名中、完歩者を64名出す好結果となったそうです。
2022年5月~7月に行われた第7回の『歩数イベント』では、同社の工場がある徳島編で実施したとのこと。コースの設定は、鳴門の渦潮から大歩危小歩危(おおぼけこぼけ)までを歩くコースで、5月9日から7月1日までの54日間で、282.8kmを404,000歩で完歩できるコース。
「このときの1位は徳島工場に勤務する方になりまして、91日間で266万歩、1日平均約3万歩も歩いた計算になります。どうしてこれほど歩けたのか、本人に聞いてみると、1時間早く起きて歩いていたそうです」(鳥谷さん)。
1時間たっぷり、早歩きで歩けば距離にして6km、約8,000歩程度は歩ける計算になります。早起きして1時間歩き、昼間は工場の周りを1時間歩き、家に帰ってから1時間歩けば合計2万4000歩も歩けることができます。
「当然、社内でも歩きます。特に工場の場合は荷物持って運んだりすることは多いので、おそらく3万歩を毎日の日課として考えて歩いていたのかなと思います。」(鳥谷さん)。

徳島編開催告知徳島編開催告知

活動紹介その3
モチベーション向上、誰もが楽しめるイベントへ

同社は、『歩数イベント』参加者の上位3名を表彰し、賞品を進呈していますが、
「他にも部署ごとに表彰するグループ賞を設けたり、飛び賞を設けて開催回数やキリのいい数字の順位の参加者を表彰したりと、みんな楽しく参加しやすいように工夫して実施しています。」(鳥谷さん)
上位を狙いたいけれども、表彰されるメンバーが決まってしまっては楽しくない。マイペースで歩きたい人もいる中で、飛び賞などのサプライズを設定して飽きさせないようにする等の工夫でイベント内容を充実されているそうです。
「表彰された人やチームは全社に知れ渡るので非常に名誉なこと。本人たちのモチベーション向上にもなりますね。」(鳥谷さん)
『歩数イベント』は管理部総務課が主導で行い、データ集計やスコアなどは運営会社が行うため、普段の業務に負荷がかかるほど手間はかからず運営していとのことです。
「その他、実際やってみた気づきとして、参加者には説明不要のプログラムであることが望ましいですね。わかりやすい仕組みであることが大切です。」(鳥谷さん)

『歩数イベント』表彰内容『歩数イベント』表彰内容

今後の展開・メッセージ
「どうしたらそんなに歩けるの?」で社内活性化

同社では、イベント終了後に参加者にアンケートを取っています。
「目立ったところでは、例えば前年より健康診断の結果が良かったという方が10名ほど出ています。他にも、休日も歩いたり、走ったりすることを意識できてよかったとか、『歩数イベント』がなければこれだけ歩くことはないといった声が参加者から寄せられました。」(鳥谷さん)
見える効果として、コミュニケーション活性化につながったことが挙げられるそうです。
「コロナ禍で事業所間での交流が取りにくい中で、表彰されればお互いを知るきっかけにもなります。どうやって歩かれているのですか?といった自然な会話が生まれ、意見交換ができていることを効果として実感します。」(鳥谷さん)

スポーツを通じて体の健康そして心の健康へ

同社はスポーツ用品を取り扱う企業としてアスリート社員の雇用にも力を入れています。
「学生時代から当社製品に愛着を持っている方をアスリート社員として雇用していて、競技続行の傍ら、当社製品の発信を担っていただいています。」(村瀬さん)
多くのオリンピック選手やプロのスポーツ選手が同社の商品を使用し、活躍しており、そうした選手が本社や工場に訪問すると、従業員のモチベーションや製品に対する意識が確実に上がるそうです。
「体の健康もそうですけど、最近は心の健康がすごく大事になっていますので、『歩数イベント』もアスリートとの交流も、とても効果があることと思います。」(村瀬さん)

『歩数イベント』をはじめ、スポーツを通じた活動に企業を上げて前向きに取り組む山本光学株式会社。人の輪が広がる中で体の健康はもとより、心の健康度も上がっているようです。

インタビューした企業

山本光学株式会社

サイト
https://www.yamamoto-kogaku.co.jp/

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