企業紹介
創業68年のサイショウ・エクスプレス株式会社(東京都江東区)は、一般貨物自動車運送業と倉庫業を手がけており、従業員は36人、東京ドームや有明アリーナなどでイベント機材の搬送を主な業務としています。

お話を伺ったサイショウ・エクスプレス株式会社の皆様
健康経営のきっかけ

齋藤敦士代表取締役
新3Kの「綺麗・健康・かっこいい」を考案、スローガンに掲げる齋藤敦士代表取締役が「健康経営」に着手したのは、身近な家族のご不幸を経験されたことから。健康の大切さを痛感し、2017年1月から「SAISHO健康プロジェクト」を立ち上げました。
トラックドライバーを中心に社員の健康増進を図るため、健康教室や社内ウォーキング、トラック内で行えるエクササイズ、骨盤矯正トレーニングなど、オリジナリティあふれる取組を行っています。
健康プロジェクト(SAISHO健康プロジェクト)スタート
「半年で限界」「健康管理士との出会い」
自動販売機の商品を健康商品へ変えたり、血圧計を設置したり、社内ウォーキング活動を行うなど、齋藤代表取締役が手探りでスタートした健康プロジェクト。
ただ、トラックドライバーである社員の意識をすぐに変えることは容易ではなく、また、医療的なアプローチができないことも重なって「半年で限界を感じた」そうです。
そこで出会ったのが、今でも二人三脚で健康経営に取り組む健康管理士の方。のちに健康体制の構築を目指す「SAISHO健康プロジェクト」立ち上げのきっかけにもなった人材で、従業員の健康不安解決や健康診断後の再検査率100%の達成など、日々進化を遂げている現在の健康経営につながっています。
ゴールは、従業員の運動習慣の定着
齋藤代表取締役は、従業員の運動の習慣化を健康経営の最終目標としています。ですが、「社員の意識を変えるのにハードルが最も高いのが禁煙と運動です。」と、今でも悪戦苦闘しているとのこと。
特に、従業員の大半が働き盛りの40代のため、運動する時間がなかなか取れず、運動習慣構築に向けたムード作りが難しい課題です。業務の合間でウォーキング大会に参加してもらっても、ドライバーの従業員は夜間配送もあって「疲れる」という声が上がってきたこともあったそうです。

社員が使えるリラックススペースも社内に用意

禁煙補助具も社内に完備している
はじめた斬新な取り組み~運転しながら健康になる!
東京都スポーツ推進企業の認定企業が使える、「Enjoy Sportsカタログ」を利用し、トレーナーの方に実際にトラック内部を見てもらって考案したエクササイズ。
トラックの運転席でも行えることが特徴で、齋藤代表取締役によると「長時間同じ姿勢でいると血流が悪くなる。安全運転のためにも、足を使うことや脳と目の疲れをとることを意識した。」とのこと。休憩の合間のほかにも、ミーティング前や入社式などの行事で行っているそうです。
骨盤矯正トレーニング
骨盤矯正トレーニングはトラックの荷台を使って行います。トレーナーの方のオンライン講習を受けながら、効果的なトレーニングを行うことができます。

トラックの荷台を使う斬新なアイデア
健康経営を始めて約7年「効果を実感」
2021年からは、毎日30分間、清掃活動にも従業員全員で取り組まれています。それまでは腰痛で出社できない従業員もいましたが、エクササイズ等、健康経営との相乗効果もあってこの時期から腰痛での欠勤者の人数が減っているそう。
「社風として、清掃とストレッチを行うことで風通しもよくなり、従業員の理解も向上し始めている」とのことです。
「運転中に『疲れたな』と感じたら、会社からLINEでエクササイズ動画が送られてくるので、その中から選んで行えるところもいい」
想い
~プロスポーツ選手ならぬプロトラックドライバーへ~
齋藤代表取締役「健康経営からの社会貢献、地域貢献がブランディング。そこから一流の運送会社、選ばれる運送会社をめざしていきたい。」
今後の構想は、プロスポーツ選手ならぬプロドライバーの育成。管理栄養士やボディケア専門の人材を雇い、ドライバーを中心に従業員へプロスポーツ選手並みのケアを行うことで「トラックに乗って健康になる」を実現していきたいとのことです。
新型コロナの影響で深刻化したドライバー不足も健康経営が安心感につながり、改善傾向にあるとのこと。
ドライバーの健康増進とキャリア改善、物流の2024年問題解決に向けてこれからも健康経営を軸に進化を遂げていかれることでしょう。

令和4年度東京都スポーツ推進企業認定証 2018年度から、推進企業になっている

社内の一角には、健康経営が認められて受賞した賞状がずらりと飾られている

令和4年11月「第11回健康寿命をのばそう!AWARD」の厚生労働大臣優秀賞」受賞